追われるがままに、逃げるしかしかなかった・・・
体も小さければ、力も弱い、
逃げるということ以外に為す術がなかった。
来る日も、来る日も 逃げて 逃げて、気づかぬうちに別の世界に入りこんだ、
必死に逃げ続けたがゆえに、辿り着いた新しい世界と景色。
いつの間にか、追手の姿は見えなく無くなったが、そこは、栄養が少なく暮らしにくかった。
戻ろうとしながら、戻れずに、行きつ帰りつを繰り返しながら
仕方なく戻ってきただろう。
海に少ない栄養は、補う必要に迫られた。
川には無かったカルシウムを背骨という新しい道具で貯めこんだ。
背骨という道具は、小さく弱かった体を飛躍的に大きくするのに役立った。
より浅く、より浅く、川に入った生き物にとっての、ひとつの必然であったのだろう。
一尾の生き物にとって小さいけれど、生命にとっての偉大な一歩が
地上に向けられていく
やがて、わたしたちにつながっていく ものがたり。
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